司馬遼太郎の「21世紀に生きる君たちへ」を読んで感動した話。

 

こんにちは、つかっち(@tukatti7772)です。

 

このブログにも色々と書いているのですが、私は昔から歴史が好きで色々な本を読んできました。

当然、司馬遼太郎さんの本も何冊か読んだことがある訳で。

「翔ぶが如く」「坂の上の雲」「竜馬がゆく」「国盗り物語」などを読みました。

 

 

 

 

東大阪市には「司馬遼太郎記念館」がある

 

 

大阪に住んでいた頃に、「司馬遼太郎記念館」なるものが東大阪市にあることを知り、

一回行ってきたことがあります。この記念館は司馬遼太郎の自宅の敷地内にあるものです。

内部には、司馬さんが執筆していたであろう部屋と、本当に膨大な数の蔵書がありました。

司馬さんがもし、この大量の本に目を通していたのだとしたら、本当にすごいことです。

 

 

 

記念館の中に「21世紀に生きる君たちへ」が掲示されている

 

 

前置きが長くなりましたが、記念館の中をフラフラと歩いていると、

壁に「21世紀に生きる君たちへ」という題名の文章を見つけました。

読んでみると、これが実に良い文章で、不覚にもうるっときてしまったのを覚えています。

 

文章の一部を引用してみます。

 

 

 

私には、幸い、この世にたくさんのすばらしい友人がいる。

歴史のなかにもいる。そこには、この世では求めがたいほどにすばらしい人たちがいて、

私の日常を、はげましたり、なぐさめたりしてくれているのである。

だから、私は少なくとも2千年以上の時間の中を、生きているようなものだと思っている。

この楽しさは — もし君たちさえそう望むなら — おすそ分けしてあげたいほどである。

 

 

司馬さんは、一生の間、歴史と向き合ってきました。

小説を執筆する間にも、数多くの歴史上の人物たちと語らっていたのでしょうか。

今の世の中にはいないような素晴らしい人物も、きっといるに違いありませんね。

もし司馬さんが現在でも生きていたならば、おすそ分けして欲しいですね・・

 

 

 

もし、「未来」という街角で、私が君たちを呼び止めることが できたら、

どんなにいいだろう。

「田中くん、ちょっとうかがいますが、あなたが今歩いている、

二十一世紀とは、どんな世の中でしょう。」

そのように質問して、君たちに教えてもらいたいのだが、

ただ残念にも、その「未来」という街角には、私はもういない。

だから、君たちと話ができるのは、今のうちだということである。

 

 

この文章がいつ書かれたものなのかは分からないのですが、

司馬さんは1996年に72歳で亡くなっています。

少なくともそれよりは前に書かれたものであって、

自分が21世紀まで生きることができないという、予感のようなものがあったのかもしれません。

 

 

この文章は小学六年生の教科書に掲載されていたようで、

「君たち」というのはそのくらいの年頃の子供達を指すものだと思われます。

私は小学生当時にこの文章を読んだ記憶がないのですが、

教科書が違ったのでしょうか。それとも単に記憶に残っていないだけか・・・

何れにしても勿体なかったな、と思います。

 

 

 

もういちど繰り返そう。さきに私は自己を確立せよ、と言った。

自分には厳しく、あいてにはやさしく、とも言った。

それらを訓練せよ、とも言った。

それらを訓練することで、自己が確立されていく。

そして、”たのもしい君たち”になっていく。

以上のことは、いつの時代になっても、人間が生きていくうえで、

欠かすことができない心がまえというものである。

君たち。君たちはつねに晴れ上がった空のように、たかだかとした心を持たねばならない。

 

 

いつの時代になっても、欠かすことができない心構え。

歴史を見つめる中で、いつの時代でも共通している大切なことを、司馬さんは見出したのでしょうか。

高々とした心構え、今の自分は持てているだろうか。

大人になるにつれて、そのようなことを考えることも減ってしまいました。

たかだかとした心とは、一体どのようなことなのか。どのように人生を生きるべきなのか。

今一度、見返してみたいものです。

 

 

 

短い随筆ながら、凝縮された内容になっている。

 

 

この「21世紀に生きる君たちへ」は短い文章であって、

すぐに読めてしまうのですが、内容には無駄がなく司馬さんの考えが凝縮されたものになっています。

司馬さん曰く、「一編の歴史小説を書くより苦労した」のだとか。

 

 

読み手側としても、何度読み返しても味わい深いものとなっています。

当時の「君たち」は、私を含めて今では30〜40歳になっているでしょう。

まさに21世紀のど真ん中を生きている年代です。

 

 

今の世の中は、司馬さんが理想としたような世の中になっているのだろうか。

私たちは、自己を確立しているだろうか、高々とした心を持っているのだろうか。

これからの世の中を、どのようにしていけば良いのだろうか。

 

 

そのようなことを、考えずにはいられません。

世の中の名文の1つだと思っています。

 

 

 

ネットで検索すれば、全文がすぐに見つかるので、ぜひ一度読んで、味わってみてください。

 

 

 

 

 

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